今年の夏は予想以上に暑い。たしかに記録的な猛暑であるが、傍が暑がるほど苦にはしていない。天の邪鬼としてはこういう時にはことさら出かけたくなるのだ。例年よりもあちこちと出歩いている。出るほどに暑さも慣れてくるものだ。ということで、電車に乗って散歩に行く。散歩地は小諸城趾、懐古園。学生の頃からの愛読書、藤村の「千曲川のスケッチ」の地をかねてより訪ねたいと思いながら、近くまではよく来ていながら、いままで訪ねる機会を得なかった。初めての訪問となる。石垣、庭、木々のたたずまい。時代がそのまま静かに残っているような思いがおこる。陽射しは強いが、木陰の爽やかな涼しさはやはり信州だ。わずか1時間ほどの散策ではあるが、命の洗濯ができた。それにしても8時間ほどは電車、バスに乗りづめ。好きなんだな、乗り物が。